空のいろ

本、映画、TVドラマの感想を書いてます。悪性リンパ腫になってしまいました

塩野七生著「ローマ人の物語」は、長いけど面白い

2017.04.28
深冬です。
正直に言います。
塩野七生さんのローマ愛溢れる著作、「ローマ人の物語」。
「賢帝の時代」来た辺りから、斜め読み状態になってます・・・


最初に古代ローマについて読んだのは、モンタネッリの「ローマの歴史」でした。

「ともしびをかかげて」のところでも書いていますが、それ以前の私の古代ローマの知識は、こんな感じでした。

いつの頃だかよくわからないけど、ユリウス・シーザーとクレオパトラアントニウスのラブストーリーがあった。でもオクタビアヌスにとっては、クレオパトラはおばさんだから誘惑に乗らなかったんだよね。
いつの間にかローマは西と東に別れてて、キリスト教が国教になってる。
で、いつの頃からか「神聖ローマ皇帝」とか出てくるけど、「ローマ教皇」とは違うよね、
ローマ帝国っていつまであったんだっけ?


塩野七生さんの「ローマ人の物語」のことはもちろん知っていましたが、あの長さを見ると、手を出しにくかったのです。

それでモンタネッリの「ローマの歴史」を読んだのですが、とても面白くて、古代ローマのことをもっと知りたくなり、塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読み始めたのです。

カエサルクレオパトラアウグストゥスのことは、私のいいかげんな記憶をきちんと上書きしました。

ハンニバル戦記」はすごく面白かった!



「賢帝の時代」以後の斜め読みの部分の読了は諦めておりません!

この本を読んでから、旅番組に出てくる地名に、あぁあの! とか、
全く違うテーマのドキュメンタリーを見ていても、出てくる場所に、ここがあの!とか。
とにかくアンテナが増えました。


「相棒」Season11初回、主舞台の一つとなった香港の日本総領事館公邸に、あのローマを建国した「ロムルスとレムス兄弟に父を飲ませる母親狼」の像のレプリカがでてきました。 しかも部屋の真ん中!
TVドラマのセットとはいえ、今でも古代ローマは世界の中心としての磁力を失ってないんだと思うと同時に、「ローマは一日にしてならず」の巻を読んでいなかったら全く気付けなかっただろうと、知識があるのって楽しいと思った瞬間でありました。


古い記憶がよみがえったこともありました。
ローマと繋がっている事を全く忘れていた少女マンガの事を、「カルタゴ」というキーワードで思い出したのです。
カルタゴ側に主人公がいて、滅亡までが描かれたストーリーです。
絶対あった。読んで泣いたものと思いつつ、ウィキ先生を訪問したら、ありました!
タイトルは、「カルタゴ -愛の戦士たち-」。初版は1980年。懐かしい、というか、1980年はもう近現代史枠? ぎりぎり現代? それはともかく。


こんなふうに、誰もがどこかで気づかないうちに古代ローマに接しているかもしれません。


全巻読破しなくても、興味のあるところだけ読んでもいいのではないかなと、個人的には思います。

「宝探し」というと不謹慎かもしれないけれど、知っている事を探し出すのもありではないでしょうか。その背景や前後の状況が分かります。

私は、サトクリフの児童書「ともしびをかかげて」の時代を探しました。崩壊直前のローマなのは確かなので、「キリスト教の勝利」や「ローマ世界の終焉」に『ブリタニア』の行方を探しました。


次は、映画「アレキサンドリア」のモデルになったヒュパティアのことが、どこかに出ていないか探してみようかと思っています。
少なくとも、アレキサンドリアがどうなったかは、どこかに出ていそうだと思うので。



■ローマ関連の話

「ローマの歴史」T・モンタネッリ著は、文庫本一冊で古代ローマを語る。 - 空のいろ

サトクリフ著「ともしびをかかげて」は、大人にもお勧めの児童書。 - 空のいろ



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ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)
ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)